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2002年01月28日(月) 15時37分

雪印食品、国内産も偽装 北海道産を「熊本」に朝日新聞

 輸入牛肉を国産牛に見せかけ、買い取り金をだまし取ったとされる雪印食品関西ミートセンター(兵庫県伊丹市)が、事件前にも北海道産の牛を熊本産や鹿児島産と偽って出荷するなどの偽装を繰り返していたことが28日、朝日新聞社の調べで明らかになった。取引先の熊本県内の食肉加工工場に「納入先変更」と偽って、別の納入先を印刷したラベルだけを大量に送らせ、当時、狂牛病騒ぎで敬遠されていた北海道産の牛肉に張り付けて、実際の納入先とは別のスーパーに出荷していた。雪印食品本社(東京)も、事実関係を認めた。関係者は「数年前からやっていた」と証言しており同社でさらに調べる。

 ラベルは肉の産地や加工日などを示す重要なもので、虚偽の表示は食品衛生法で禁止されている。また、一般消費者向けの商品に産地などの表示を義務づけている農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)や不当景品類及び不当表示防止法などにも違反する。

 関係者によると、01年9月下旬、同センターから畜産加工会社(本社・神戸市)の熊本工場に「発注元(納入先)がキャンセルした。(納入先を変更するので)Aスーパーを発注者にしたラベルを約50枚、印刷し直して欲しい」と電話で要請があった。同工場の担当者は、指示のあった製品番号について、発注元の名前だけを変えたラベルを印刷して送った。

 朝日新聞社は、この製品番号を入手。加工工場を通じて再印刷されたラベルの一部を調べたところ、実際にはキャンセルされていないことが分かった。たとえば、キャンセルがあったとされた同年9月17日に熊本県の工場から出荷された「三角バラ肉」は、同22日、当初の発注元である奈良県内の食肉販売会社に、予定通り納入されていた。他の発注元である大手スーパーなども、キャンセルしていなかった。

 雪印食品本社が調べたところ、同センターの社員が「北海道産の納品を断られ、熊本産に見せかけた」と、一部について認めた。一般的に熊本産は北海道産に比べて価格も高いことから、同センターでは日常的に張り替えが行われており、狂牛病騒ぎで偽装に拍車がかかったとみられる。

 同センターから、加工工場へのラベルの追加発注は、約20年前の取引開始直後から毎月のようにあり、多い月で20〜30枚にのぼった。ほとんど「箱の破損」が理由だったという。

 加工工場の責任者は「数が多いので不審に思ったが、得意先なので断れなかった。今後は、どんな理由にしろ、ラベルの再発行はしない」と話している。

 同センターの関係者は、朝日新聞社の取材に「数年前から、職員の指示を受けたアルバイト作業員らが、ラベルの張り替えをしていた」と証言。同センターで、産地の偽装工作が常態化していた疑いがある。(14:44)

http://www.asahi.com/national/update/0128/016.html

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