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2002年01月07日(月) 00時00分
ご注意 「整理屋」結託の提携弁護士 広告解禁で債務者かき集め 法外利息返済分まで再請求 (東京新聞)不況下で急増する多重債務者を狙って、弁護士資格がないのに債務整理を請け負い高額な手数料を取る「整理屋」が暗躍している。これを助長しているのが整理屋と結託した「提携弁護士」だ。一昨年秋から弁護士に広告が解禁されたのを悪用し、雑誌やインターネットのホームページなどを使ってあの手この手で多重債務者をかき集めているが、悪質かどうかの見分けはつきにくい。救済を求めた債務者が新たに被害に遭うケースも目立っている。東京都江東区の警備員男性(77)は一昨年秋、自転車で暴力団員風の男にぶつかり、上着のそでを破った。十三万円の弁償を請求されたが、月十万円足らずの生活費で細々と暮らす男性の手元に大金はない。仕方なく借りた消費者金融が法外な高利貸で、利息払いのために借金は一気に十数社から八十万円に膨れた。 その一社から「債務を一本化すれば返済額が安くなる」と勧められ、都内の法律事務所を紹介された。しかし、これが整理屋と提携した弁護士の事務所で、男性にはとても支払えない月十万円の返済計画を立てたばかりか、既に返済した分まで再請求してきた。弁護士に返済業務を委任したのに、夜中も厳しい取り立てに悩まされた。 整理屋は、弁護士資格がないのに広告を出して債務者を勧誘し、傘下の提携弁護士にあっせんする。一昨年の夏には、元高検検事の弁護士や整理屋ら八人が弁護士法違反容疑(非弁護士との提携)で逮捕された。 多重債務者の救済に取り組む弁護士によると、提携弁護士の事務所は整理屋に乗っ取られ、“名義貸し”の報酬を受け取っているのが実態という。「債務者は法外な利息を既に支払った上に、(整理屋や提携弁護士の介入で)払い過ぎになる場合が多い」と指摘する。 提携弁護士は一昨年十月に解禁された広告をフルに利用、多重債務者を集めているという。弁護士の看板だけでは、利用者が整理屋とつながっているかどうか見分けることは難しい。 最近は、整理屋が多重債務救済をうたった非営利法人(NPO)を設立して債務者を勧誘する新手のケースも出ているという。 日弁連は現在、百−百二十人の提携弁護士を把握しているが、情報公開については「処分中の事案だけ公表され、調査中や過去の懲戒処分などの履歴は公表できない」(同会事務局)という。これでは、被害の拡大を招きかねない。全国の弁護士会では札幌弁護士会が昨年十二月、過去の懲戒処分にさかのぼって情報公開を始めたばかりだ。 提携弁護士かどうかを見分けるポイントについて、多重債務問題に詳しい宇都宮健児弁護士は「債務整理は事務が煩雑で通常の法律事務所なら広告を出すと、業務がパンク状態になるはず。だから多重債務の債務整理の広告ばかりをPRしているのは要注意だ」と話している。 http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20020107/eve_____sya_____004.shtml |