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2001年12月31日(月) 03時21分
<出資法違反?>預金1億円集める 比で銀行買収したとして(毎日新聞)通信販売事業などへの投資で約4万人の会員を集めている日本の企業グループが、フィリピンの銀行を買収したとして今年10月、比国中央銀行の承認を受けないまま、日本国内で1億円以上の預金を集めていたことが30日分かった。銀行の買収資金に充てる名目で社債を発行した関連会社も業務中止命令を受け、日比間で数億円が宙に浮く可能性もあり、国際投資トラブルに発展しそうだ。銀行業の承認を得ずに、預金名目で資金を集める行為は出資法に違反する疑いもあり、警視庁は情報収集を進めている。預金を集めたのは「ジー・オーグループ」。同グループは持ち株会社「ジャパンジー・オーグループインターナショナル」(東京都港区)が中核で、同社の大神源太名誉会長(39)が実質的にグループを主導している。 同グループの説明や会員に配布した資料によると、約13億円で買収した銀行はマニラ首都圏で13店舗を持つ「ユニトラスト・ディベロップメント銀行」。小規模商店が主な取引先で、総資産は約20億円。 同グループは今年9月13日、東京都内で当時の同行頭取と銀行権利譲り受け契約を締結。「バンク・オブ・オーガミ(大神銀行)」が誕生したとして、10月に「年利8・125%。ペソ下落など為替リスクは銀行側負担」という顧客に有利な条件で、会員から預金を集めた。同グループ企業元役員や元幹部社員によると、集めた総額は1億数千万円に上るという。 しかし、この銀行売買について、同国中央銀行は「財務関係書類の提出など必要な手続きを踏んでいない」と指摘。銀行業を承認するか審査を継続中で、10月下旬には比国民に対し「まだ、許可を与えていない」と取引に注意するよう呼び掛けた。このため、大神銀行としての業務ができない状態が続いている。 日本の企業が国外で銀行業の承認を受け、日本国内で預金を集めることには問題がない。しかし、同グループはまだ、銀行業として承認されておらず、出資法に違反する疑いがある。 また、グループはこの買収のためとして、在比国の関連会社「ジー・コスモス フィリピンズインク」の社債を「3年間で39%の利益を還元」という高利回りで8月から日本国内で販売し、数億円を集めた。 しかし、同社はフィリピン国内で登録せずに投資業務を行ったとして7月26日に同国証券取引委員会(SEC)から投資業務の中止命令を受けており、社債が償還できるかは不透明だ。社債を購入した会員は「業務が停止していることについてグループから全く説明はなかった。解約して取り戻したい」と話している。 インターナショナル社の多田藤憲社長は「当初、大神銀行が承認されなかったのは、社内の乗っ取りグループが中央銀行などに働きかけた結果だ。12月中旬に乗っ取りグループは撤退し、預金は銀行に入金されている。我々としては現在、承認されたものと認識しており、問題はない」と説明している。毎日新聞は同社長を通じて、大神名誉会長にも取材を申し込んだが、同名誉会長は応じていない。 ◆ジー.オーグループ 通信販売会社や健康茶販売会社など約10社の関連企業があり、フィリピンやインドネシアなどで事業展開している。広告代理会社「ジー.コスモス.ジャパン」(東京都港区)が96年ごろから会員を集め、その数は日本国内だけで約4万人という。(毎日新聞) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20011231-00000081-mai-soci |