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2001年11月27日(火) 00時00分

「箱根の湯」ガソリン並みの値段で売りつける 2容疑者逮捕−−大磯町 毎日新聞

 ◇「同和団体」名乗り圧力、大磯町が言い値で購入

 「箱根の湯」を1リットル当たり、90円というガソリン並みの法外な値段で大磯町に購入を強いていたなどの疑いで温泉供給業者が26日、県警捜査4課と大磯署に職務強要容疑で逮捕された。今年度は福祉施設の入浴目的で189トン分を1700万円で購入しており、仕入れを始めた93年当時の単価3倍の値段に高騰していた。業者は価格交渉の際、エセ同和団体幹部を名乗り「同和への差別」などと圧力をかけ、圧力に屈した同町が言い値で購入していたという。

 逮捕されたのは平塚市山下、温泉供給業、岡田馨(44)と茅ケ崎市の自称同和団体幹部、冨田健三(57)の2容疑者。

 大磯町は、岡田容疑者に老人福祉施設「さざんか荘」に箱根町にある小涌谷温泉の湯を輸送する業務を委託した。ところが、2人は1リットル当たりの単価を当初28円、昨年度は62円と年々つり上げてきた。

 同町によると、岡田容疑者は「設備投資」を理由に値上げし、町側が値上げを拒むと、仲間数人を引き連れ、役場内で「差別している」と大声で叫んだりしたため、渋々応じてきたという。

 その結果、今年度の購入費が1700万円に膨らんだため、先月、岡田容疑者との契約を今年度で打ち切ると決めた。別の温泉輸送業者の話では、箱根の温泉湯の相場は単価1リットル当たり50円という。

 逮捕の直接の容疑は、2人が7月2、3の両日、町教委員(56)に同和地区の視察を強要した疑いだったが、2人は視察と温泉湯購入以外にも強要を繰り返していた疑いがあるという。

 例えば、岡田容疑者は今年5月、町が同和対策の一環として実施している住宅新築資金融資要綱の限度額の3倍にあたる6000万円の融資を、町長に口頭で約束させた。町が8月に申し込みを拒否すると、岡田容疑者は処分取り消しを求め行政訴訟を起こした。

 蓑島格造助役は「さまざまな場面で差別だと騒ぐため、配慮してきたことがこのような事態を招いた。これからは毅然(きぜん)とした態度で臨む」と話した。

■写真説明 事件の現場になった大磯町役場庁舎

http://www.mainichi.co.jp/area/kanagawa/news/20011127k0000c014001000c.html

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