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2001年10月29日(月) 00時00分
初の仮処分命令迷惑メールはダメ横浜地裁(毎日新聞)横浜市内の通信業者「グローバルネットワーク」が大量の携帯メールを送信したために通信設備に支障が生じたとして、NTTドコモが同様行為を禁じるよう求めた仮処分申請で、横浜地裁(板垣千里裁判長)は29日、グローバルネットワークに同様送信行為を1年間禁じる仮処分命令を出した。送信していたのはいわゆる「迷惑メール」とみられ、送信を差し止める司法判断が出たのは初めて。 仮処分命令などによると、グローバルネットワークは今年6月8日、宛先不明17万通を含む約90万通のメールを1時間で送信。別の1時間にも宛先不明16万通を含む約30万通のメールを送信した。この影響でNTTドコモの電気通信設備の機能低下などが生じ、他のメールが届かないなどの被害が出たという。IPアドレスから同社が送信したメールと判明したため、NTTドコモは7月14日に警告書を出したが、メール送信を止めなかったため、同24日に所有権侵害にあたるとして、仮処分申請した。 仮処分命令では、グローバルネットワークは決定送達の日から1年間、090のあとに8ケタのランダムな数字をあてはめるなどの方法で、存在しない多数の電子メールアドレスあてに営利目的の電子メールを送信するなどして、NTTドコモの電気通信設備の機能低下や停止をもたらす行為をしてはならないとしている。 NTTドコモの平野晋法務室長は「この会社は送信量が多く、通信設備に支障を生じた。モバイルインターネットでは初の司法判断となるため、確実に勝てるものを申し立てた」と説明。メールの内容はいわゆる「出会い系」だったのではないかとし、「今後、他の業者にも必要な措置をとっていく」と語った。 また、富岡斎(いつき)NTTドコモ常務は「社会的重要性に的確に対応した司法判断だ。新しい社会現象をどうするか、立法にもお願いするとともに、因果関係がはっきりすれば訴訟の中で対応とれるようにと手を打った。今後とも迷惑メール撲滅に取り組みたい」と話した。 携帯電話の「出会い系サイト」などから勝手にメールが送られてくるいわゆる迷惑メールは、携帯電話の爆発的な普及に伴って、2000年末から問題化した。現在、NTTドコモが扱う1日のメール9〜10億通のうち、8〜9億通があて先不明のメールとなっている。 同社は、受信パケットに課金するシステムだったため加入者から苦情が相次いぎ、今年7月から、iモードの新規契約者を対象に、メールアドレスの初期設定を「電話番号@docomo.ne.jp」から「複数のランダムな英数字@docomo.ne.jp」に変更。8月からはiモード全契約者を対象に、パケット通信料金で毎月最大400パケット(120円相当)を無料化していた。 グローバルネットワークの代理人の塩谷安男弁護士によると、同社は既に解散済みという。同弁護士は「決定内容をみていないのでよく分からないが、迷惑メールの構造(課金システム)はNTTドコモが作り、巨額の利益を出した。業者だけを悪者にするのはいかがなものか。今後については、グローバルネットワークが解散しているのでどうなるか分からないが、依頼人とよく相談したい」と話している。 [NTTドコモ] (柴沼 均) http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/archive/200110/29-1.html |