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2001年08月30日(木) 17時09分
採算合わない事件受けます 弁護士会が都市型公設事務所(朝日新聞)頼りたいときに頼れない弁護士——そんなイメージを変えようとする試みが、東京・新宿の法律事務所を舞台に始まる。第二東京弁護士会(二弁)が運営資金を支援する都市型公設事務所で、「東京フロンティア基金法律事務所」と名づけられた。これまで採算が合わず敬遠されがちだった事件を積極的に引き受けるとともに、弁護士が不足している地方に派遣する弁護士の養成にも乗り出すのが大きな特徴だ。事務所は9月3日に開設される。 「これまで弁護士は必ずしも社会的責任を果たし切れていなかった」。初代の所長に就任する丸山輝久弁護士(58)は、刑事の国選弁護人や法律相談の引き受け手が少ない状況に心を痛めてきた。 「社会的、経済的弱者の力になるのが弁護士の役割であり、駆け込み寺のような拠点が求められているのです」 都市型公設事務所は全国で2カ所目、東日本では初めての開設になる。二弁が6000万円を出して開設資金を負担した。丸山所長が経営に当たり、所属弁護士は所長を含め5人。二弁の支援によって一定の収入を保証し、採算が合わなくても、少年事件や多重債務の整理、外国人らの権利保護といった公益性の高い事件に取り組めるようにする。 こうした都市型の公設事務所特有の働きとともに、今回のケースでは、全国各地の「過疎地型公設事務所」に期間限定で送り込む弁護士養成にも取り組む点が注目される。事務所から毎年2人の派遣を目指し、地方への弁護士供給を軌道に乗せたい考えだ。裁判官に任官したり、法科大学院(ロースクール)の教官になったりする弁護士の育成を手がける将来構想も浮かんでいる。 すでに約50人の会員が支援弁護士として登録しており、大規模な公害訴訟や消費者問題、労働問題に対応できる態勢も整えた。丸山所長の任期は2年。「弁護士の意識改革のきっかけになるよう、中核的な役割を担いたい」と抱負を語る。 ◇ ◇ 所在地は東京都新宿区新宿3丁目1の22NSOビル6階。電話は03・5312・2820(9月3日以降)。(15:49) |