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2001年07月05日(木) 06時00分
<凸版印刷>顧客名簿を担保、売却 50万件 通販会社倒産で(毎日新聞)東証1部上場の印刷会社大手「凸版印刷」(東京都千代田区)が、経営難に陥った名古屋市の通信販売会社の顧客リストを担保に取り、この会社が倒産後、債権回収のためにリストを別の会社に売却していたことが4日、分かった。売却された個人情報は50万件以上とみられる。法律には触れないが、プライバシーの保護をめぐって識者からも疑問の声が上がっている。 【藤後野里子、武本光政】 関係者によると、この通販会社は美容・健康関連商品や衣料品を販売していたが、99年6月ごろから資金繰りが悪化し、取引先の凸版印刷に手形決済の繰り延べを要請した。凸版印刷は99年10月、これを受け入れる代わりに、通販会社が倉庫に保管していた顧客リストと在庫の商品の所有権を事実上一括して譲り受ける担保(商品集合譲渡担保権)を設定した。 通販会社は99年12月、名古屋地裁で破産宣告を受けた。破産法では、財産は裁判所が選任する破産管財人が処分するが、この場合は担保権を設けた凸版印刷が事実上、リストと在庫の所有者になっていた。このため、弁護士の管財人と凸版印刷が協議した結果、リストの売却を凸版印刷が担当し、在庫は両者が共同で処分して利益を凸版印刷とほかの債権者に分配することで合意した。 凸版印刷はその後、50万人分以上のリストを別の通販会社に売却した。売却代金は数千万円とみられ、そのうち500万円を破産管財人に支払った。破産管財人は今春、債権者に配当し、破産処理の手続きを終えた。複数の名簿取引業者は「顧客リストの横流しは以前からあるが、相次ぐ倒産を背景に、債権回収のための売却も珍しくない」という。 凸版印刷広報部は「法律上、適正に処理された。当事者間の問題であり、詳細な説明は控えたい」と話している。 堀部政男・中央大教授(情報法)の話 消費者は「良い物を少しでも安く買う」といった目的で特定の会社に個人情報を提供するが、それ以外の目的で売買されることまで了解してはいない。破産処理では顧客リストも確かに財産だが、個人情報という人格権にかかわるものは別に扱うという議論をすべきではないか。業界も指針を設けるなど対応策を取る必要がある。 [毎日新聞7月5日] ( 2001-07-05-03:01 ) http://news.yahoo.co.jp/headlines/mai/010705/dom/06000000_maidomm176.html |