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2001年05月13日(日) 14時30分
広がる水道水の高度浄水処理 水源の汚染対策で(朝日新聞)水道水のかび臭や有害物質を取り除き、「安全でおいしい水」をつくるために、オゾンと活性炭を使った「高度浄水処理」を導入しようとする自治体が相次いでいる。東京、大阪など約30の浄水場が稼働・建設中のほか、福岡市が初めて導入を決め、千葉県内の2つの広域水道企業団などが検討している。水源の河川や湖沼の汚染が進み、一般的な浄水処理では限界があるからだ。 「急速ろ過」と呼ばれる一般的な浄水処理は薬剤で汚れを凝集、沈殿させ、砂でろ過し、塩素消毒する。汚染がひどいとかび臭やカルキ臭が出て、塩素消毒で発生する発がん性物質トリハロメタンも増え、農薬などが十分取りきれずに残る。 北九州市環境科学研究所アクア研究センターの分析では、水道水から内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)のフタル酸エステル類や農薬など64種類の有機化合物が検出された。東京理科大の小野寺祐夫助教授が昨夏都内の水道水を分析したところ85種類が確認された。 においや有機化合物は急速ろ過にオゾン・活性炭処理を加えればほとんど取り除けるという。オゾンで分解され、活性炭に吸着されるからだ。 国の補助を受けて稼働・建設中の約30の浄水場は大阪、東京、兵庫、香川、茨城、福島、千葉、長野、京都、滋賀、和歌山、鹿児島、沖縄など全国の都道府県に広がる。 福岡市は多々良浄水場を補助申請中。04年度までに70億円で完成させる方針だ。千葉県と松戸市など9市町でつくる北千葉広域水道企業団は導入を視野にオゾン・活性炭処理の実験を始めた。 巨額の費用にためらいもある。千葉県銚子市など2市4町の東総広域水道企業団は、水源とする利根川や黒部川の汚染の改善のめどがたたず、検討に入った。数十億円の施設建設費のうえ電気代や活性炭代もあり、市町に水を卸す価格も1立方メートルで15〜20円上がりそうなため、市町の説得が課題だ。 北九州市も数十億円の費用がネックとなり、割安な微生物と活性炭による処理に切り替えた。 実際、オゾン・活性炭処理を導入した大阪府営水道は、府下の衛星都市への卸売価格を上げた。導入前に値上げした大阪市や兵庫県尼崎市などのような例もある。(14:30) |