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2001年05月10日(木) 16時19分

FBI、ルーセント社の中国人社員を情報窃盗で逮捕WIRED

 ニュージャージー州ニューアーク発——米連邦当局は3日(米国時間)、米ルーセント・テクノロジー社の科学者2人ともう1人の人物を、同社の技術を盗んで中国の企業に渡したとして起訴した。

 連邦地検によると、この3人は中国国籍で、3日に米連邦捜査局(FBI)に逮捕され、同日午後には裁判所で審理が行なわれる予定だという。

 FBI捜査官のサンドラ・キャロル氏によると、逮捕されたのは、ルーセント社の科学者でニュージャージー州スコッチプレインズ在住のハイ・リン容疑者、同じくルーセント社の科学者で同州サマセット在住のカイ・シュ容疑者、そして同州イースト・ブランズウィック在住のヨン・チン・ツェン容疑者の3人。それぞれ自宅にいるところを逮捕された。

 2人の科学者はルーセント社の『パススター』(PathStar)システムの部門で働いていた。パススターは、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)が音声やデータのサービスが低コストで行なえるようにするソフトウェアで、裁判所に提出された文書によると、シェアは市場の90%を超え、昨年はルーセント社に1億ドルの売上をもたらしたという。

 3人の容疑は、中国政府が所有する北京のダタン・テレコム・テクノロジー社という会社と共同で設立したジョイントベンチャー企業のために、パススターのソフトウェアを不法に入手したというもの。

 ルーセント社はニュージャージー州マリー・ヒルに本社を置く通信機器メーカーで、かつては米AT&T社の一部だった。

 ルーセント社によると、同社はFBIや連邦地検に協力して「会社の機器や知的所有物の窃盗」の捜査を手助けしてきたという。「われわれは、この行為に気付くとすぐに当局に知らせ、捜査に協力してきた」

 同社は、今回の窃盗の内容や重大さ、そして2人の科学者がいつからルーセント社で働いていたのかなどは現時点では明らかにできないとしている。

 ルーセント社にはこのところ悪いニュースが続いている。先月には、多大な負債を抱え、予想を下回る決算を出し続けているなかで、米連邦破産法11条の適用申請を計画しているという噂を否定したばかりだ。

 昨年の業績不振のために損害を被ったと主張する株主たちからは、集団訴訟を起こされている。リチャード・マギン前会長兼最高経営責任者(CEO)は昨年10月に退任させられたが、同CEOの在任中、ルーセント社の市場価値は約800億ドル下落した。

 ニューヨーク株式市場の3日午後の取引で、ルーセント社の株価は62セント(5.5%)安の10ドル65セントとなった。

[日本語版:大野佳子/岩坂 彰]

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[ワイアード 2001年05月10日]

http://news.yahoo.co.jp/headlines/hwj/010510/cpt/16195000_wircpt004.html

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