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2001年05月10日(木) 09時31分

教員採用は競争率13倍の超狭き門 新卒は26%朝日新聞

 全国の都道府県や政令指定都市の教育委員会に昨年度に採用された教員は少なくとも過去30年で最少の約1万1千人で、競争率は13.3倍に達したことが文部科学省のまとめでわかった。うち新卒者は4分の1にとどまり、多くは臨時採用教員の経験者や会社員。就職難で志望者は増えており、定職に就かずに合格を待つ浪人も当たり前の状況だ。来年度からは定年退職した教員の再任用も始まり、門はさらに狭まりそうだ。

 昨年度の小、中、高校や特殊学校の教員、養護教諭の採用試験は全国で約14万7千人が受験し、前年度より766人(6.5%)少ない1万1021人が採用された。学校別には小学校3683人、中学校2673人、高校3060人など。女性が52%を占めた。

 競争率は平均13.3倍で、10年前の3.5倍以上にはね上がった。京都府の32.9倍を最高に、北九州市26.3倍、神戸市25.4倍、徳島県23.2倍などとなっている。

 少子化に合わせ教員採用も減ったが、ここ10年は不況も手伝って受験者がむしろ増えているのが、競争激化の最大の理由だ。

 大学を出たての新規学卒者には、さらに厳しい事情もある。

 多様な教員を採用するという文部科学省の方針に沿って、多くの自治体が社会人向けに年齢制限を緩めたり一部試験を免除したりして、臨時採用教員や非常勤講師など教職経験者や民間企業の経験者を増やした。採用者のうち、教職経験者は41.1%で、民間勤務の経験者は8%。逆に95年まで約半数を占めた新卒は26.3%まで減った。

 鳥取県教委は79人採用したうち新卒はゼロ。「面接をすると経験者は明らかに違う。結果としてこうなった」という。

 文部科学省は少人数指導などのために教員増員を進めているが、自然減分を埋める程度だ。さらに来年度には年金支給年齢の引き上げに伴って、定年退職した教員の再任用も国庫補助の中で認められる。神奈川県の調査では50歳以上の小中学校教員の7割が再任用を希望した。これが新規採用をさらに圧迫しそうだ。

 教員志望者向けの雑誌などを出している「協同出版」の小貫輝雄社長は「不況で安定志向、地元志向が強まっている。合格するのに採用試験の平均受験回数は2.5回。合格が難しいから、浪人したり大学院に進んだりする人も多い。教育委員会側にもインターンのように臨時採用で人物を見てから正規採用するケースが増えている」と話している。(09:31)

http://www.asahi.com/national/update/0510/003.html

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